
消化器内科
診療内容
当科は消化器疾患の診療を行っています。和歌山県がん診療連携拠点病院として、関連施設などから主として「がん」症例が多く集まっており、「がん治療」に多くの精力を傾けていることが特徴で、胃がん?肝臓がん?膵がんなどに対して、消化管?肝臓?胆膵の3診療グループを設けて対応しています。消化器病専門医16名、消化器内視鏡専門医15名、超音波専門医1名、胆道学会指導医1名を有し、全領域においてトップクラスの診療実績があります。抗がん剤による化学療法や放射線治療といった集学的治療のエキスパートであるがん治療認定医も多く在籍しています。
内視鏡医療の分野において、日本は世界の先進国であり、我々も和歌山県の基幹病院として、世界最高水準の医療を皆様に提供できるよう努力しています。近年の内視鏡検査及び治療手技の進歩や器具の発達はめざましく、消化管悪性腫瘍は早期の段階での発見?治療が可能となりました。がんが消化管の表面の粘膜やその下の粘膜下層にとどまっている場合、内視鏡治療が検討されます。内視鏡治療では、開腹しなくてすむことから、治療後の回復も速やかで体に対する侵襲も少ないのが特徴です。当科では、消化管早期悪性腫瘍を標的に、全国でも先駆けて内視鏡的粘膜切開剥離術(ESD)を導入、井口幹崇講師、前北隆雄講師を中心に診療を展開しています。その技術の確かさにより和歌山県のみならず他県からも多数の患者さんが当科での診療を希望され、全国でも有数の診療実績を誇ります。また、2016年7月に北野教授が着任し、内視鏡?超音波を用いた新規治療技術の導入?開発、特に、食道アカラシアに対する低侵襲な内視鏡的治療(POEM)、通常の治療では対応できない黄疸に対する超音波内視鏡下ドレナージ術(EUS-BD)、早期膵癌を診断できる高解像度の超音波内視鏡診断システム、に力を注いでおります。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)領域においては、吉田岳市講師が多数の国際共同臨床治験に参加するなどトップクラスの炎症性腸疾患治療を行っております。また、肝細胞癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)を用いた肝癌局所療法、癌化学療法などに力点をおいており、井田良幸講師のもと肝臓疾患診療を行っております。ラジオ波焼灼術(RFA)はここ数年連続して全国10指に入る症例数を誇り、専門誌や新聞といったメディアにも多々とりあげられ、全国から患者さんが治療を希望し来院されます。さらに、国の肝炎対策事業の一環として、2011年当院は和歌山県の肝疾患診療連携拠点病院に指定されました。それに伴い、C型肝炎やB型肝炎といったウイルス性肝炎の方が早期に適切な治療を受けられるよう、消化器内科外来に肝疾患相談支援センターを開設いたしました。肝臓疾患にたいする悩みや治療の不安、日常生活の注意点、医療費助成制度などの相談を、専門 看護師が無料で行っています。
胆道?膵臓疾患については、北野教授が開発した超音波内視鏡(EUS)を用いた膵臓がん?胆道がんの早期診断技術は、国内外で講演やライブデモンストレーションにより啓発活動を行い、診断に難渋している胆道?膵臓疾患の患者さんの紹介を全国から受け入れております。また、県下で発症する膵がんを早期に診断するため、「きのくにプロジェクト」と称した地域医療連携システムを構築中です。数々の内視鏡治療の中で、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)あるいはEUSを用